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2024年05月06日 (Mon)
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2010年07月13日 (Tue)
ツヴァイ「…なぁ。」
アインス「…何?」
ツヴァイ「不自然じゃないか? これ。」

道中、ツヴァイが呟く。

アインス「…何が?」
ツヴァイ「何で、ここまで野生のポケモンに会わなかったんだ?」

普段なら、寧ろ現地のポケモンに囲まれたりで苦戦してるであろう。
だが、今はその相手取るであろうポケモンと一切遭遇していない。

ツヴァイ(…何だろう……。
     似た感じの事が、前にもあった気が……。)



第53話「不穏の」



ツヴァイ(…それにしても寒い……。
     確かファイアーが『冷気がおかしい』とか言ってたっけ……。)

寒く、暗い道。
考え事をしつつ、ただひたすらに歩き続ける。

アインス「はぁ…はぁ……」
ツヴァイ(…アインスの体力も限界が近いかな……
     ……でも、こんな寒い所で休憩なんて……。)

休みたい、でも休めない。
そう考えた時、1つの思い付きが。

ツヴァイ(…そうだ!)
    「アインス、少し休まないか?」
アインス「えっ…でも……。」
ツヴァイ「このまま行ってやられたら本末転倒だろ?
     それに、寒さに関しては策がある。」

そう言い、ツヴァイが鞄から何かを取り出す。

ツヴァイ「こうやって木の枝を燃やせば……」

そして取り出された物…木の枝に向かって火の粉を撃つ。
回りの雪を溶かしつつ、少しの温かさをもたらす。

アインス「あ……」
ツヴァイ「…やっぱ、疲れてるんじゃないか? アインス。」
アインス「でも……」
ツヴァイ「さっきも言っただろ?
     このまま行っても、やられて町まで戻されるのがオチだ。
     だから、今は休んだ方がいいって。」
アインス「…だよね……。」

重たい足取りで、焚火に近付くアインス。

アインス「久しぶりだっけ…?
     こうしてツヴァイと2匹っきりでの夜って……。」
ツヴァイ「…そういや、そうだっけな。」
アインス「…やっぱり、私、ツヴァ――」

その続きは、アインスの眠気に掻き消された。

ツヴァイ(…やっぱ、限界だったのか……。
     俺も、そろそろ……
     …ここなら敵もいないし、俺も……)



アインス「……きて……
     …起きて、ツヴァイ!」

翌朝、アインスの声にたたき起こされる。

ツヴァイ「見てよ、ここ!」

促され、辺りを見る。

ツヴァイ「…そういう事だったのか……。」

そこら一帯は、絶望の色・黒で染められていた。
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