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書きたい描きたいひたすらかきたい。そんな修行中のケモノカキです。
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2010年07月27日 (Tue)
アインス「うぅ…やっぱり寒い……。」

少しづつ雪が激しくなってきた。
寒さに強いツヴァイでさえも、手足がかじかんできた。

ツヴァイ(…参ったな、木の枝はもう無いし……。
     とにかく早くここを抜けないと……。)



第55話「黒世界」



ツヴァイ(…やっぱりな。)

あれから何分経っただろうか。
変わらぬ景色、進んだように見えない。

ツヴァイ(さっきからどんどん気温が低くなってきてる……。)

…が、昼になるにつれて上がる筈の気温が、逆に下がっている。
アインスは気付いてないらしい。寒さに堪えるだけで必死なのだろうか。

ツヴァイ(やっぱり、この先に誰かいるんだろうな……。
     『黒』に染まった、誰かが……。)
アインス「…あれ?
     今の……。」
ツヴァイ「どうした? アインス。」

唐突に、言葉を漏らすアインス。

アインス「今、誰かいたような……。」
ツヴァイ「『誰か』?」
アインス「…ううん、きっと気のせい。
     それより、何か風が強くなってきてない?」

風…?
気温にばかり気を取られて気付かなかったけど、確かに風が強くなってきている。
確か風が強いと体感温度が下がるって聞いたけど、この寒さはそれだけじゃないと思う。

ツヴァイ「やっぱし、やばい奴に近付いてるんだろうな。
     こんな寒いとこには長くいたくないし、早く仕事終わらせて帰ろうぜ。」
アインス「…でも、その『やばい奴』に出会ったら、勝てるのかなぁ……。」

珍しく、ネガティブな発言をするアインス。

ツヴァイ「大丈夫だって!
     サンダーにもファイヤーにも勝てたんだし、何が来てもきっと大丈夫!」
アインス「でも……」
ツヴァイ「俺がアインスを守る。
     一か八かだけど、勝てる希望はあるしな。」

不確定な自信、ファイヤー戦で撃ったあの技の事。
あの技を自由に使えるようになるために、逆境は悪くないシチュエーション。

ツヴァイ(あれを使いこなすためにも……。
     アインスには悪いが、ここは引きたくないんだ…!)
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2010年07月20日 (Tue)
ツヴァイ「…そういう事だったのか……。」

そこら一帯は、絶望の色・黒で染められていた。



第54話「交差点」



辺り一面の黒、空も、木も、当然雪も。

アインス「本当にこんな所に、そのアブソルがいるのかな…?」
ツヴァイ「…分かんねぇ、でもファイアーはこっちの方に向かったって言ってた。
     他に情報も無いし、その言葉を信じるしか無いだろ?」
アインス「でも、『向かった』だけじゃ分からないじゃん。
     いるかどうかも分からないのに、こんな危険な所に……。」

確かに情報は「向かった」まで、この場所に到着したかどうかは分からない。

ツヴァイ「…でも、ここで新しい情報が聞けたら次の手が打てる。
     ここで見つかれば一番だけど、見つからなくても手掛かりはあるはずだし。」
アインス「…ねぇ、ツヴァイ。」

唐突に、アインスが話を曲げる。

ツヴァイ「何だ? アインス。」
アインス「ツヴァイってさ、何でそんなに頑張れるの?」

いつだかも聞かれたような質問。
だが、今回問われてるのは、前の回答とは違うものだろう。

ツヴァイ「何でだろうな…正直、俺自信にも分かんねぇ……。」
アインス「…それって、ツヴァイの過去と関係あるんじゃ?」
ツヴァイ「かもな。
     でも、関係あるとしても、それだけじゃ情報が足りな過ぎる。
     やっぱり、色んなとこ見て回るしか、今は手段が無いな……。」

それで手掛かりが見つかるとは限らない。
だが、他に手が無い以上、それしか方法は無い。

ツヴァイ「…とにかく、今は依頼だ。
     早く先に行こうぜ。」
アインス「……うん。」
2010年07月13日 (Tue)
ツヴァイ「…なぁ。」
アインス「…何?」
ツヴァイ「不自然じゃないか? これ。」

道中、ツヴァイが呟く。

アインス「…何が?」
ツヴァイ「何で、ここまで野生のポケモンに会わなかったんだ?」

普段なら、寧ろ現地のポケモンに囲まれたりで苦戦してるであろう。
だが、今はその相手取るであろうポケモンと一切遭遇していない。

ツヴァイ(…何だろう……。
     似た感じの事が、前にもあった気が……。)



第53話「不穏の」



ツヴァイ(…それにしても寒い……。
     確かファイアーが『冷気がおかしい』とか言ってたっけ……。)

寒く、暗い道。
考え事をしつつ、ただひたすらに歩き続ける。

アインス「はぁ…はぁ……」
ツヴァイ(…アインスの体力も限界が近いかな……
     ……でも、こんな寒い所で休憩なんて……。)

休みたい、でも休めない。
そう考えた時、1つの思い付きが。

ツヴァイ(…そうだ!)
    「アインス、少し休まないか?」
アインス「えっ…でも……。」
ツヴァイ「このまま行ってやられたら本末転倒だろ?
     それに、寒さに関しては策がある。」

そう言い、ツヴァイが鞄から何かを取り出す。

ツヴァイ「こうやって木の枝を燃やせば……」

そして取り出された物…木の枝に向かって火の粉を撃つ。
回りの雪を溶かしつつ、少しの温かさをもたらす。

アインス「あ……」
ツヴァイ「…やっぱ、疲れてるんじゃないか? アインス。」
アインス「でも……」
ツヴァイ「さっきも言っただろ?
     このまま行っても、やられて町まで戻されるのがオチだ。
     だから、今は休んだ方がいいって。」
アインス「…だよね……。」

重たい足取りで、焚火に近付くアインス。

アインス「久しぶりだっけ…?
     こうしてツヴァイと2匹っきりでの夜って……。」
ツヴァイ「…そういや、そうだっけな。」
アインス「…やっぱり、私、ツヴァ――」

その続きは、アインスの眠気に掻き消された。

ツヴァイ(…やっぱ、限界だったのか……。
     俺も、そろそろ……
     …ここなら敵もいないし、俺も……)



アインス「……きて……
     …起きて、ツヴァイ!」

翌朝、アインスの声にたたき起こされる。

ツヴァイ「見てよ、ここ!」

促され、辺りを見る。

ツヴァイ「…そういう事だったのか……。」

そこら一帯は、絶望の色・黒で染められていた。
2010年07月06日 (Tue)
ツヴァイ「…とにかく行くしか無いな。」
アインス「…うん。」

町から大分遠くまで来た。
がらりと環境が変わっても、おかしくはない。

余程の変化でない限り。



第52話「異変と」



アインス「へっくちょい!」

あまりの寒さにくしゃみが1つ。

ツヴァイ「ほんと大丈夫が? アインス。」
アインス「う、うん大丈夫……。」

そう答えるアインス。
しかし、見るからに大丈夫ではない。

ツヴァイ「…俺が先に行く。」
アインス「何よ!
     私じゃ頼りないっていうの!?」
ツヴァイ「あ、いや、そういうわけじゃ……。」

いつもと違う雰囲気のアインス。
ツヴァイも、戸惑いを隠せない。

アインス「…とにかく、先に進むんでしょ?
     こんなとこで立ち止まらないで、早く行こうよ。」
ツヴァイ「ん、あぁ、そうだな。」

そんな一行の状態からか既に夜だからなのか、2匹は気付いていなかった。
白い雪が、真逆の色へと変化している事に。
2010年06月29日 (Tue)
アインス「…大分、遠くまで来たね……。」

道中、アインスが呟く。

アインス「…のぇ、ちょっと思ったんだけど、」
ツヴァイ「ん? 何だ?」
アインス「こんな所まで来れるなら、助けとかいらないんじゃ、って……。」

唐突な、的確な言葉。

ツヴァイ「…確かに、そのアブソルには助けは必要無いかもしれない。
     だが、見る限りそのアブソルが勝手に飛び出した。
     そしたら、残された奴の気持ちはどうなる?」
アインス「…そ、それは……
     ……確かに……。」
ツヴァイ「それに、どんな事があろうとも、受けた依頼は完遂する。
     悪いけど、それが俺のポリシーってのもあるしな。」
アインス「…………。」



第51話「遠くへ」



アインス「…寒くなって、きたね。」

気付けば辺り一面雪景色。
炎の山から来たせいで、余計に寒く感じるのもあるだろう。

アインス「!
     ツヴァイ、見て!」
ツヴァイ「…ん?」

アインスに言われ、アインスの目線の先を辿る。

アインス「あれが樹氷…きれい……。」
ツヴァイ「…いきなり雪が落ちて来そうで怖いけどな……。」
アインス「もぅ、ツヴァイ夢が無いね……。」
ツヴァイ(夢…って何のだよ……。)

各々の感想、そして行動。

ツヴァイ「…とにかく行くしか無いな。」
アインス「…うん。」
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