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書きたい描きたいひたすらかきたい。そんな修行中のケモノカキです。
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2025年03月01日 (Sat)
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2010年03月16日 (Tue)
ツヴァイ「…流石に…そろそろキツいな……。」

大分頂上に近づいてきた辺りで、ツヴァイが呟く。

アインス「それでも…引き返さないん…でしょ……?」
ツヴァイ「あぁ…仕事…だからな……。」

それでもやっぱり依頼続行。
無茶と分かっているが、戻らない。



第36話「八合目」



ツヴァイ「あれか……? 頂上……。」

まだ遠いが、山の終わりが見えてきた。
恐らく今回の目的地、頂上。

ツヴァイ「よし…あとは一気に――ッ!?」

駆け出すツヴァイ。
だがいきなり吹き出した炎に足を止める。

ツヴァイ(っ…こんな所からも…!)

不意の一撃、対応が遅れる。
間に合いそうに…ない。

ツヴァイ「……………………
     …………?」

…が、熱さが全くと言っていいほど来ない。

ツヴァイ(…そうか、ヒトカゲにとっちゃこの程度の熱さは何でもないんだ……。)

周りの温度と裏腹に状況を冷静に分析する。

アインス「大丈夫!? ツヴァイ!!」
ツヴァイ「あぁ、俺が炎タイプだから…なのかな……。」

思い付く中で最も妥当な理由。
むしろある程度の熱さは平気でなければ炎技なんて使えない。

アインス「でも私は通れないんだけど……。」
ツヴァイ「…仕方ないな、炎が治まるまで待つか。」

やむを得ず休憩タイムに入る2匹。
だが、

???「クオオオォォォオオ!!」
ツヴァイ&アインス「!!?」

突然の叫び声、驚くのが普通。
だがそれよりも、その叫び声は2匹に1つの情報を与える。

アインス「ってまさかここの頂上にも前のあいつみたいなのがいるの!?」
ツヴァイ「…みたいだな……。」

炎が引いてくる。
その隙にアインスがその場所を通り抜ける。

アインス「なら早く行かないと!」
ツヴァイ「えっ…?」
アインス「そのアブソルのリサさんが危険な目に会ってるかもしれない、そう思ったら放っとけないじゃん!」

正論、というより救助隊の存在意義に近い。
『ポケモンを助ける』、祖のために動くのが救助隊。

ツヴァイ「…だな。
     遅れるんじゃねぇぞ!」
アインス「うん!」

さっきまでの疲れはどこへやら、山頂目指して一気に駆けていく。
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2010年03月09日 (Tue)
アインス「熱い~~」

炎の山中腹、アインスが呟く。
何とか半分ほど登ったものの、まだまだ先は長い。



第35話「炎の山」



ツヴァイ「だから待ってろって言ったのに……。」
アインス「だからって、私に待ってろっていうの…?」

前にも言った事、それと同じような言葉を繰り返す。
だが、今回は微妙に状況が違う。

ツヴァイ「…でも今回はドライ待機だろ?
     アインスも待ってればよかったのに……。」
アインス「ドライはヘルプでやってくれてたけど私はそういうわけじゃ……。」

そう、ドライが欠席。
「用があるから」という事で帰るとの事。なんともあっさりした別れだが、ドライらしいといえばドライらしいか。

ツヴァイ「…とにかく、来たからには登り切るしか無いんだ。
     『行く』って言ったんなら、さっさと最後まで登り切ろうぜ!」
アインス「…それは分かってるけどさ……。」

片や炎の地はホームグラウンド、片や炎の地は最悪環境。
その差がこの温度差に影響している事は言うまでもない。

アインス「ツヴァイは炎タイプだからまだいいよ……。
     でも私は草タイプだから…もう……。」
ツヴァイ「…仕方ない、少し休むか。」

『休む』…それはその場にいる時間の延長と同意。
珍しくアインスの頭は冴えていた。すぐにその答えにたどり着くほどに。

アインス「いやいやいやいや大丈夫!
     早く先進もほら!」
ツヴァイ「…?」

アインスの変わりようにツヴァイに疑問符。

ツヴァイ「…まぁいいか、そういう事なら先行くか。」
アインス「もうどんどん行こほら早…うわっ!」

先走るアインス、だがいきなり吹き出した炎に出鼻をくじかれる。

ツヴァイ「っておい、少しは落ち着けってば……。」
2010年03月02日 (Tue)
ツヴァイ「じゃあ行こうぜ!」
アインス「おー!」
ドライ「せやからちょい待て!」

乗り気な2匹、非乗り気な1匹。

ツヴァイ「何なんだよ一体……。」
ドライ「お前はタイプ相性というものを考えて――」
ツヴァイ「ん? 大丈夫だろ別に。」

完全なる意見の相違。
意見が合う事はなさそうである。



第34話「初遠出」



ツヴァイ「とーちゃく、っと。」

現地到着、ツヴァイがその場所を見上げる。

アインス「…まさかこんなに暑いなんて……。」
ドライ「そらそやろ、『炎の山』やぞ。
    名前からして危険やろ。」

…そう、今回の冒険の地はここ『炎の山』。
その名の通りあちこちから炎が吹き出す危険な場所。

ツヴァイ「だからってお前今更依頼断るのか?」
ドライ「…んな事はあらへんけど……。」
ツヴァイ「なら行こうぜ!」

炎の山に向かっていくツヴァイ。
たがその尻尾を引っ張る者が。

アインス「ちょ…っと待ってツヴァイ……。」
ツヴァイ「って大丈夫なのかアインス!?」
アインス「ちょっと…キツいかも……。」

…そう、チコリータのアインスは草タイプ、炎に弱い。
ついでにルカリオのドライも鋼タイプで同じく、熱さが大丈夫なのはヒトカゲであるツヴァイのみ。

ツヴァイ(…そういやそうだったな。
     タイプ相性の事を忘れるとは…何やってんだよ俺は……。)
2010年02月23日 (Tue)
ツヴァイ「……なるほど、それではぐれたわけか。」
ニューラ「最初からそう言ってんだろ!」

いつものカフェ、いつもの依頼者との面会。
今回の依頼主はこのニューラ。




第33話「既視感」



ニューラ「で、まだ何か?」
ツヴァイ「『何か?』じゃねぇよ。
     その助ける相手の事まだ何も言ってないじゃんか。」
ニューラ「ったく、一々面倒な奴ら……。」

最も重要な事の1つ、それすらをも面倒臭がるニューラ。

ニューラ「名前はリサ、種族はアブソル。
     これでもう文句は無いでしょ。」
ツヴァイ「アブソル……」

その種族名が、少し引っ掛かった様子のツヴァイ。

アインス「ツヴァイ…?」
ツヴァイ「…いや、何でもない。」
ニューラ「で、何?
     まだ何か?」

…こいつは本当に頼み事ををする気はあるのだろうか……。

ツヴァイ「…聞きたい事は以上です。
     それでは救助に向かわさせてもらいます。」
ニューラ「何よその態度。
     あんたら本当に依頼受ける気あんの?」
ツヴァイ(…それは俺の台詞だっての……。)

そう思ったが、口には出さない。
なんだかんだ言っても、仕事が減るのは痛い。

アインス「あるわよ!
     ていうかあなたこそ何なの!
     さっきからずっと黙って見てれば偉そーに――」
ツヴァイ「ちょ、アインスストップ!」

しかしそんな事おかまいなしのアインス。
止めなければどうなる事やら……

ニューラ「何よ、あんたら救助隊でしょ?
     だったらさっさと救助に向かいなさいよ。」

…どうやら手遅れなようで。

ツヴァイ(…はぁ、何でこんな面倒な事に……。)
2010年02月16日 (Tue)
アインス「はーいツヴァイ、あーん。」
ツヴァイ「だからもう大丈夫だっての!」

あれから数日、ツヴァイの怪我も完全に治った。
このやりとりも、段々恒例になってきた。

アインス「ほらドライもこっち来て。」
ドライ「って飛び火!?」



第32話「次依頼」



イオタ「…なるほどな。」

場所は移りいつものカフェ、イオタがツヴァイ達の話を聞き終える。

アインス「あのFLB直々の辞令だよ!
     すごいでしょ!!」
イオタ「…まぁ、いい情報期待してるからな。」
アインス「冷たいなぁ、イオタ……。」

…確かにイオタにとって、ドラッヘのランクが上がってのメリットは多くはないが……。

イオタ「それより、依頼掲示板の方に行かなくていいのか?
    依頼が待ってるぞ。」
アインス「そういやそうだった!
     それじゃあまたね、イオタ!」

その言葉の後、アインスが出口に向かう。

ツヴァイ「…全く、しっかりしてくれよな……。」
イオタ「諦めな、昔からああだし……。」



アインス「ほらツヴァイ早く早く!」

依頼掲示板の前、そこでアインスが急かす。

ツヴァイ「少し待てっておい……。
     ちょっとは俺達の事も――」
ドライ「おせーぞツヴァイ」
ツヴァイ「なっ……」

いつの間にか、ドライも掲示板の前に。

ツヴァイ(…何で俺だけ苦労してるんだろうな……。)

そう思いながら、ツヴァイも掲示板の場所に向かう。


アインス「ほら、これなんかいいんじゃない?」
ドライ「っておい、場所見ろ場所。
    明かにやばいやろそれは……。」
アインス「え? そう?」
2つの反する意見、そこに追いついたツヴァイが割り込んで来る。

ツヴァイ「ってどんなやつなんだ?」
アインス「あ、ツヴァイ!
     ここにある受けられる依頼の中で一番ランクが高いやつなんだけど……。」

そう言い、アインスが蔓の鞭で依頼書を指し示す。

ツヴァイ「…これか……」

ツヴァイもその依頼書に目を通す。

ツヴァイ「…よし、次はこれを受けるか!」
ドライ「っておいツヴァイお前は大丈夫だからって…!」
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